SiO2

書評(感想文),勉強したこと,作ったもの,分解したもの,など.いろいろoutputするところ.

The shift(2011)

ISBN:9784833420167 社外の集まりで友達が読んでいたので買ったけど3年間寝かしていた本.

ウィリアム・ギブスン「未来はすでに訪れている.ただしあらゆる場に等しく訪れているわけではない」

産業革命の時のように世の中が変わっている.能動的にアクションしていかないとその他大勢に埋没して没個性化したり,孤独になったり,充足を得られなくなったりする.そうなりたくない場合は「3つのシフト」を意識して未来に対してガシガシ働きかけて いくべき.
前半で,過去から未来にわたる働き方のシミュレーションを通じて変化を浮かび上がらせる.未来は2025年を想定.具体的な影響をエピソードで示す.たとえばネットの進化やロボットの台頭で,人間の仕事が減るとか80歳とかでも働く人が増えるなど.
後半で,3つのシフトに対する詳細な説明を示している:

<"高度な"知的資本>

「連続スペシャリスト」になってマネされない専門技術を持ってセルフブランディングを行うこと.ゼネラリストは死ぬ.自分の武器を認識し,時代遅れになる予兆があれば次への準備を怠らない.他の分野に軸足を移して「連続的に」専門分野を広げていく必要がある.

<人間関係資本>

ネットや遠隔ロボットの普及で空間的制約がほぼなくなるから,コラボがもはや必須になる.3種類のグループを構築すること:

  • ポッセ
    ギルドメンバー.いざというときに頼りになる,能力のある人たち.
  • ビッグアイデアクラウド
    イデアの源泉になりうる群衆.早い話twitterのフォロワーみたいな人たち.
  • 自己再生のコミュニティ
    リアルに会える友達.リフレッシュして精神を健全に保つ.
<情緒的資本>

自分が本当に得たいものを見極め,得るためのアクションとそのために犠牲にするものを明確に意識すること.人の価値基準は多様化しており,金銭による評価に価値を見いださない人が増えている.自分はどうか?内省した上で金銭ならばよし,違っていれば(経験など)それを手にするための行動を起こす.意図を持って選択し,選択に伴い失うものを受け入れる.
内省を深めて,手に入れたいものを突き止めておくことが資本になる.

自分の場合,特に人間関係資本の構築に先んじて取り組もうと思っている.おそらく時間がかかるため.総じて感じたメッセージは,主体的に生きた方が人生楽しいよねー,ということ.