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書評(感想文),勉強したこと,作ったもの,分解したもの,など.いろいろoutputするところ.

マーケット感覚を身につけよう(2015)

ISBN:9784478064788 日本人に欠けているのはマーケット(市場)感覚である.そのために折角のチャンスをフイにしている.単なるスキルなので,意識して身につけるようにしよう.

  • 世の中はどんどん市場化が進んでいる.この趨勢からは逃れられないから観念しよう.相対価値がどんどん市場価値へ置き換わっている.
  • 「よいものを作れば売れる」というのは時代遅れのセンスというよりもはや歴史上の出来事.まずどの程度で売るのか,売れるのか?から始める.原価積み上げで価格を決めるのではなくて物事の価値を自分で判断したうえでターゲットに向けた価格設定をすること.
  • ちょっとシフトした考えが大切.たとえば書店が提供するものが「単なる本」ならAmazonとかに勝てない.「他でもない自分が選んだ本」と考えると広がりが出る.
  • スキルと言ったが,5個くらいトレーニング方法がある:
    <プライシング能力を磨く>
    常日頃から「自分がこのくらいが妥当だと思う値段」を考える.相場とかは他人の価値基準なので当てにしない.これができないと自分自身のプライシングすら他人任せになる.
    <インセンティブの理解>
    他人がどのように考えて行動したか分析する.「みなお金のために行動している」と考えるのはあまりに単純に過ぎる.本当に金銭第一であれば飲みになど行かないし外食もしないはず.
    物欲センサーを最大感度にする.欲望は人に話すようにする.さび付かせていてはだめ.
    <市場評価を重んじる>
    井の中の相対評価に一喜一憂することはムダ.「決めてからやる」のではなく「やってみて決める」.判断は市場により行われるため.
    <失敗と成功の理解>
    シリコンバレーは「失敗に寛容」ではなく「失敗経験がない人は評価しない」. 2回3回失敗して成功するのが健全というもの.学校にて知識を学ぶのは散々やっているので,市場で失敗から経験を学ぶことにリソースを振り向けるべき.
    <市場性の高い場所を求める>
    アメリカのビジネススクールや飲食店など.都会も概して市場性が高い.逆に地方都市,役所,国立大などは低い.都会で市場感覚を鍛えて地方へ戻り,市場性を持ち込んで価値を見いだすのは一つの戦略. (葉っぱビジネスの「いろどり」)
  • 専門性は次々乗り換えるのがよい.一本槍で望むのは,RPGでいえば炎魔法縛りでクリアを目指すようなもん.

最後のほうの未来の話は"The shift"と同じような話になっている.市場を中心において考えると,およそ未来予測も似通ってくる.市場原理が導入されると競争が激化するので,生き残るための知恵が求められる.自分がどうなるべきなのか,どこならば勝てそうなのか,見極めることが肝要.

とりあえずはプライシングの訓練からやってみることにする.

そんじゃーね!