SiO2

書評(感想文),勉強したこと,作ったもの,分解したもの,など.いろいろoutputするところ.

Only the paranoid survive(1996)

ISBN:9784822255343
旧題:インテル戦略転換

「10Xの力」が現れるタイミングに「戦略転換点」あり.
インテルがメモリからマイクロプロセッサの会社に「戦略転換」した時を例にしていまが「10X」の時かどうかをどのように見抜くのか,どのような行動をとるのかを説く.

たとえば…

  • どのように予兆を判断するのか?気になったものはシグナルなのかノイズなのか?荒削りゆえ「10X」ではないように見える「初期バージョンの罠」なのか?判断するために社内の「カサンドラ」に意見を求めることもできる.経験からの「銀の弾丸」も利用できる.

  • 行動に移す際,「戦略転換」は迷いなく明確にわかりやすくすべきで,あれこれリスクヘッジをしていては組織の行動が完遂できない.(マーク・トゥエイン「卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ」)なぜなら戦略転換するまでに,社員は疲れ果てていて活気も士気も低下しているから.方向が間違っていたら死ぬけど,何もしなかったら確実に死ぬので行動する以外選択の余地はない.ただ,「試行」をしてみることは全然ありだし大切なこと.

要はparanoid(超心配性)になって変化をいち早く検出し,対策をとることが大事で,そうしないと法人も個人も生き残れないぜ!という話.初版上梓が20年前なのだけど,今でも十分通用する.

そしていま,自社は「戦略転換点」の近傍にいると思う.